目指すのは褒め合う社会であって批判し合う社会じゃない(松井知事喫煙について)

生き方

松井大阪府知事が公用車で喫煙したことがニュースになっているが、そんなことはニュースになるべき話ではない。公用車での喫煙の是非以前に、全く大した話ではないからだ。メディアは話題性があるからニュースにしたのだろうが、本来もっと別のことをニュースとして取り上げなければならない。

先にも書いたが、日本人は他者の批判がほんとに好きだ。皆が批判し合い、指摘し合い、監視し合うことで、良い社会ができるとは私には到底思えない。西村博之氏が言っていた言葉にとても共感したのだが、以下のような内容だった。

日本人はモラルが高いなどと震災時などに外国から言われたというが、モラルが高いとは思えない。単に周囲からの同調圧力が高いだけ。だから、発災時に列にきちんと並んで配給を待つのも、モラルが高いのではなく、他者からの目が怖くて、やっている人が多いと思う。もし本当に日本人のモラルが高いなら、なぜ電車で高齢者や困っている人に席を譲る人が少ないのか。逆に良いことして目立つのもいやだから、席も譲らない。

批判し、指摘し、監視し合うことで、悪事の少ない社会にはなっても、善行動の多い社会にはならない。批判し合う社会は、互いに他者の目を気にし合い、人を萎縮させたり、隙あらば批判してやろうと攻撃的にさせたりする。

今の日本は、サービスに不備があったと言っては客がクレームを言い、店員の接客態度が悪いと言っては文句を言い、電車が3分遅れたことに車内アナウンスで丁重に謝罪がある。

それが、過剰接客やサービスをもたらし、本来モノを売る側と対等な関係であるはずの客を傲慢にした。そんな社会の行き着く先が、いろんな場面で謝罪を要求される社会であり、生産性の低い長時間労働社会であり、一人一人がいつもストレスを感じているピリピリした社会である。佐川急便の兄ちゃんが再配達にブチ切れたのも、保育園落ちた日本死ねとブチ切れたのも、そんなの関係ねえが爆発的に流行ったのも、そんな社会の歪みから発生した怒りやストレスが別の形をとって表れたように思えてならない。

日本最悪・外国万歳と言うつもりもないし、日本万歳・外国最悪と言うつもりもないが、外国に住んでいた時、理由はわからないが、その土地全体に空気のように漂う寛容さのようなものを感じていたことがある。日本に帰ってきた時、日本の清潔で整然とした雰囲気と一緒にピリピリとしたストレスを感じたのも覚えている。

その理由の一つとして思うのが、日本は互いを批判し、監視し合う社会であることだ。多くの国で、客とサービス提供側は対等な関係だし、接客態度が多少悪いことくらい気に留めない。電車が数分遅れたからといって、車内アナウンスで「お急ぎのところ大変ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした」などと言っているのを聞いたことがない。仮に数時間遅れようとも、その原因が悪天候など会社に責のないことであれば、従業員は「◯◯のせいで遅れてる」と悪びれもせず言う。言うのはsorryやapologizeなどの謝罪ではなく、thank you for your patienceなどの感謝だ。

ニュースでも同様のことを感じる。日本のニュースはとにかく批判的なニュースが多く、何かを賞賛するニュースが少ない。スポーツ選手などの賞賛は多くても、政治家や企業の良い部分が取り上げられることは批判的なニュースと比べて驚くほど少ない。

怒って注意ばかりして子供を育てるとの、甘やかしはせず褒めて子供を育てるのと、どちらが良いと思うか。人を、社会を伸ばすのは批判し監視し合うことじゃない。褒め合うことで、社会の善は増えると思うのです。

最後に、公用車での喫煙は、知事だけが使う車で、かつ運転手と同乗者が喫煙者であったりして喫煙に同意していれば、問題ないと思う。同乗者が嫌がるのなら吸わない。松井知事は、誤解を受ける行為ならもうしないときっぱり言っているのだし、そう決めたことを褒めて終わりだと思う。自民党はこんな質問で時間を無駄にし、税金を無駄にするな。

俺たちは聖人君子を知事や政治家にしたいのではない。この社会を良い方向にリードしてくれる優秀な人を知事や政治家にしたいのだ。今回の話だけでなく、小さい金の問題や、不倫や、公用車や、そんなことで社会にとって有意な人材を潰すのは社会にとっての損失だ。政治家なんて起業家などと比べたら稼げる金も少ない。その上、重箱の隅をつつくような批判もされるとなれば、優秀な人がどんどん離れていく。終わりです。

コメント

  1. 人生に疲れた人 より:

    なるほどと思いました。西村ひろゆきさんのコメントは特に。でも日本人は本当にモラルが高くないのかな。ちょっと残念なことだったので、ふと思いました。
    たしかに批判をされないようにしてる印象はありますが。でも批判をされるのはモラルに反するからということもあるのでは。
    電車の件も、たしかにその通りですが、モラルというか、日本人はとても疲れてるんじゃないでしょうか。

    • 佐崎慎治 S野M男 こと 佐崎慎治 より:

      人生に疲れた人さんへ、ひろゆきのコメントには私もなるほどと思いました。確かに日本人はとても疲れているように私も思います。

  2. タバコ臭い女性は嫌い より:

    たしかに、くだらない報道ですね。
    「運転手と同乗者が喫煙者であったりして喫煙に同意していれば、問題ない」とありますが、そこの同意は必要と思うんですね?もっと適当でもいいのかなと思ったので。ちなみに、私はタバコはとても嫌いで、無くなってもいいと思ってますが。確かに車で吸われたら鬱陶しいですが、鬱陶しいだけのことで。大変な仕事してるんで、それくらい大目に見てあげてもと思って。

    • 佐崎慎治 S野M男 こと 佐崎慎治 より:

      運転手がタバコすごく嫌でも、知事に吸わないでくださいとは言えないと思って。だから、雇用時にそういう同意があればいいなとか思ったくらいです。誰かの快のために誰かが我慢するてあまり好きではないのです。そこに力関係があればなおさら。て寛容にとか言ってるくせに考えすぎですね。

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