愛の小説

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【最終話】M男の欲望  第16話「郁男の禁欲91日目・0日年目」

91日目  昼休みに、食事を終えて自席に座っていると、熊谷氏が近付いてきた。職場の給湯室で会えば挨拶はしていたし、特段彼女を避けていたわけではないのだが、母が亡くなってから、ほとんど話しをしていなかった。 「佐野さん、金曜日に課...
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【M男の欲望】第15話「郁男の禁欲70日目」

70日目  柔道の練習後、昨晩久しぶりにスーパー銭湯に一人行った。以前に来た時には、若い女を目で追っては、その女達が風呂に入る様を想像していたが、今は女が通り過ぎても気にならなかった。禁欲期間が2ヶ月を超え、性欲が逆に落ち着いてきたの...
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【M男の欲望】第14話「郁男の禁欲49日目」

49日目  一週間以上仕事を休んだことを、会社は勝手に母親が亡くなったためだと解釈した。郁男も別にそれをわざわざ否定しなかったので、無断欠勤は咎められたものの、それ以上の処分はなかった。母の葬儀が終わった後、仕事に行けたのは、やはり母...
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【M男の欲望】第13話「郁男の禁欲1日目」

1日目    嘘だけはつきたくなかった。自分は最低であるべきだ。誰とも口をきかず、ただそこに座っていた。伯母は、郁男が喪主を務めるべきと言っていたが、喪主は母の再婚相手にやってもらった。俺は母より自慰を選んだ男だ。もはや出す精液も涙も...
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【M男の欲望】第12話「恵里の禁欲7年目」

7年目  離婚して7年、再婚して3年。自分は野良猫だと思う。子供の頃から居場所がなかった。結婚して、やっと居場所ができたと思ったが、居場所だと思ったのは、一人ぼっちで作った砂の家だった。60歳近い年齢で、再婚できたのは幸運としか言いよ...
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【M男の欲望】第11話「郁男の禁欲0日目(連続リセット)」

0日目連続リセット あれから1週間くらい経っただろうか。連絡もせずに仕事を休み、真っ暗に閉め切った部屋で毎日ほぼ自慰だけをしていた。快感などもうほとんどなかった。亀頭の薄皮が破れて血が滲む。毎度、一滴か二滴だけの射精をした後に、陰茎の...
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【M男の欲望】第10話「恵里の禁欲28年目(リセット0年目)」

28年目(リセット0年目) 7年前の借金のあと、何度も離婚を考えた。それでも離婚できなかったのは、息子のためもある。しかし、息子は奨学金で大学に行くと言っていたし、息子のためより、むしろ義父の介護がその理由だった。義父は7年前の借金が...
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【M男の欲望】第9話「郁男の禁欲28日目(リセット0日目)」

28日目(リセット0日目) 設定したソフトウェアのおかげで、昨日一昨日の休日はパソコンを開こうとすら思わなかった。誤ってポルノサイトでも開き、あのメールが彼女に送信される可能性があると思ったら、通常のネット検索すら怖くてできなかった。...
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【M男の欲望】第8話「恵里の禁欲21年目」

21年目 息子は高校生になった。なぜそこまで固執するのかというほど、勉強をしていた。数学や物理の問題では、正答できても、自分の解き方が気に食わないと言って、何時間も執着し、暗記科目では教科書の何ページのあの行がどうしても覚えられないな...
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【M男の欲望】第7話「郁男の禁欲21日目」

21日目 3週間。もう何の前触れもなく突然射精してしまってもおかしくないとすら思った。場所を選ばず頻繁に勃起し、時折、陰茎の先がわさびを食べたかのごとくツンと痺れた。今にも蛙の卵のようなゼリー状の精液がどろりと出てくるのではないかと思...